家を建てる前に知っておきたい注文住宅の注意点、気を付けること – 失敗しない秘訣
夢のマイホームで残念な失敗をしないため、本記事では「家を建てる前に知っておきたい注文住宅の失敗しない秘訣」を紹介します。準備から建築家・ハウスメーカー選び、生活スタイルに合わせた家の構築、工事進行時の注意点、トラブル対策まで詳しく説明します。これを読めば、皆様の家づくりの道標となり、理想の住まいの実現の手助けとなることでしょう。
「家は3回建てないと理想の家にならない」と言われていますが、そんなことはありません! 1回で理想の家は実現します!
注文住宅を建てる前の準備
まずは、あなたの理想の暮らしをイメージすることです。理想の暮らしのイメージを持っている人は少ないですが、建てる前にこのイメージを持つことはとても重要です。
自分たちが快適に過ごすため、ワクワクしながら暮らすため、自分らしく生きるため、理想の暮らしはどんなものなのか、あなただけの住まいを明らかにしましょう。これが注文住宅の大きな魅力であり、成功への鍵となります。
理想の暮らしのイメージを持とう
これから始まる一大プロジェクトの目指すべき方向をここで定めます。
「家は人生で最大の買い物」と言われたりしますが、とても大きな買い物であることには違いありません。それなのに、よく分からないからとか、〇〇がいいと言ったからなどといって、他人任せでは理想の家は実現しません。
暮らしにおいて何を大事にしたいのか、最も優先させるべきことは何か、そこにずっと居たいと思える場所ってどんな場所なのかなど、言葉に書き出したり写真を集めたりして、モヤモヤしている暮らしのイメージを“見える化”するといいでしょう。
最初はイメージが湧かない人でも、“見える化”することで、必ず理想の暮らしが見えてきます。
最初から具体的に建物を想像することは悪いことではないですが、自分にとっての理想の暮らしが見えていない段階で、いきなり建物を具体化することは要注意です。 住宅展示場などでは、トレンドのデザインや最新の設備などが並び、華やかな印象でキラキラして見えますが、実は必要のないことも多いはず。 自分にとって外せない大事な価値観が何かを明確にして、優先順位をつけましょう。
ここまでくると、ハウスメーカー、建築家や工務店との打ち合わせもスムーズに進むでしょう。
予算を明確に設定しよう
家を建てるための予算は、注文住宅を成功させるための大切な要素です。あらかじめ家を建てるための予算を決定しておき、それを越えない家づくりを目指しましょう。担当者に予算を伝えて、できることを確認しましょう。限られた予算の場合は、数年後に追加できることは省くなど、やりたいことに優先順位をつけることが大切です。
ローン計画も考慮に入れよう
ほとんどの人が住宅ローンを組むことになると思いますが、その際には自己資金の準備や借入金額、返済期間、金利などを考慮した計画が必要です。また、銀行のホームページや、住宅ローンシミュレーションを提供しているホームページ、ファイナンシャルプランナーとの面談などを活用して計画を立てると良いでしょう。
パートナー選びのポイント~ハウスメーカー、建築設計事務所(建築家)、地元工務店~
家を建てる際、最も重要な選択のひとつが、“誰と”家づくりをするかです。 品質、納期、コスト等、様々な要素を考慮に入れながら、あなたの理想とする家を建築してくれる信頼できるパートナーを見つけることが必要です。下記に、ハウスメーカー、建築設計事務所(建築家)、地元工務店の特徴を解説しているので、ご自身に合う最良のパートナーを見つけてください。
ハウスメーカーの特徴
ハウスメーカー各社のデザインは一貫しており、購入前から建物のイメージをしやすいことが特徴です。建物を規格化することで、全国どこで建てても、デザインと品質は高い水準に保たれています。工事予算の管理は進める上で重要な要素ですが、ハウスメーカーは独自のノウハウを持っており、コストオーバーによるスケジュールの遅れなどは、最小限に抑えられます。
どのハウスメーカーも、ある程度のカスタマイズには対応していますが、自分だけの完全なカスタマイズは難しいことが多いです。また、規格から外れることは大きくコストアップにつながります。
ハウスメーカーを選ぶということは、洋服で例えるなら、お店で陳列されている洋服(商品)を組み合わせて購入する ということに近いです。
建築設計事務所(建築家)の特徴
建築設計事務所の特徴は、何と言っても、建築家と協力して、細部にまでこだわった自分たちの理想の住まいを具現化できることです。その結果、高い満足とオリジナルの住宅を手に入れることができます。
建築設計事務所(建築家)は、それぞれのデザイン性や独自の視点を持っていることが多く、その事務所の考え方に共感できるかが、設計事務所を選ぶうえでとても大切です。
逆に、理想の住まいを実現しようとするあまり、コストオーバーやスケジュールが延びるなどの課題が出ることがあります。それを避けるためにも、建築家と密にコミュニケーションをとる必要があります。
建築設計事務所(建築家)を選ぶということは、洋服で例えるなら、オートクチュールで仕立てることに近いです。あなたに合わせた世界で一つだけの住まいが手に入ります。
地元工務店の特徴
地元の工務店は、地域密着型が多いため、その地域に適した住宅を提案・建築することができます。拠点が近くにあるため、アフターメンテナンスやトラブル時の対応が迅速に行われることが期待できます。
大手ハウスメーカーに比べると、最新の技術や設備を取り入れることが難しいこともありますが、ハウスメーカーでは扱うことができない技術や材料を使って、独自の提案をしている工務店もあります。また、デザインのバリエーションや独自性は限りがありますが、得意としている技術やものづくりに対する姿勢が、家づくりに直結しているという面において、安心できます。
家を建てる際の見落としがちな要素
注文住宅を成功させるためには、ただ自分の理想を追求するだけではなく、見落としがちな要素を把握しておくことが必要です。この章では、「住む地域の特徴と生活スタイル」、「長期的なメンテナンス計画」、「省エネや耐震性」のこれら3つの要素について、調べてみましょう。
住む地域の特徴と生活スタイル
住む地域の特徴を理解することは、理想の注文住宅を建てるには欠かすことができません。買い物や子供の通学、日々の通勤など、生活をすごす上での利便性を考慮し、その地域の特徴を生活スタイルとマッチさせることが重要です。さらに、地域毎の気候や自然環境も注目すべきポイントです。例えば、温暖な地域と寒冷な地域では、建物の性能(断熱性能など)だけでなく、窓の取り方や大きさも違います。 地域の特性に合わせた家づくりを心がけましょう。
長期的なメンテナンス計画
家を建てる際は、建設後の長期的なメンテナンス計画も考慮に入れる必要があります。外壁塗装や屋根の補修などの大規模な修繕は、時間と共に必要になるものです。これらのメンテナンスを計画することで、家の価値を長期間保つことができます。また、長期メンテナンス計画を立てることで、修繕費用を予め見越して予算設定することが可能となります。
省エネや耐震性を確認しよう
現代の住宅では、エネルギー消費を抑える「省エネ」や大地震から家を守る「耐震性」は基本的な要素となります。ハウスメーカー、建築設計事務所や工務店にこれらの性能をしっかりと問い合わせることは必須です。さらに、国が補助金を出しているエコジョーズなどの高効率給湯器や、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)などの各種システムを取り入れる事で、省エネルギー化を更に進めることができます。
工事進行時の注意点
“工事が始まってしまえばよく分からないので、後はお任せ” にならないようにしましょう。この章では、工事進行時に把握しておくべき注意点とそれぞれの対策方法を説明します。
定期的な進捗確認を怠らないこと
注文住宅の建設は数ヶ月から1年近くに及ぶこともあります。その間、発注通りの工事が進行しているかどうか定期的に確認することが重要です。工事の担当者から状況の報告がなければ、報告を求めましょう。また、なるべく工事現場を訪れて、工事の状況を確認しましょう。
とは言え、お仕事の都合や遠方の場合は、難しい場合があります。 建築設計事務所は、お客様に代わって工事を監理する立場なので、厳しい目で工事の進捗状況や品質の確認を行うことができます。 ハウスメーカーや工務店は、設計と工事が同じ会社なので、お客様の代理として工事を監理する人はいない、ということは理解しておきましょう。
変更手続きを行う際の注意点
工事進行中に設計の変更を行う場合は、手続きを理解しておくことが必須です。変更の要望は、口頭ではなく文章で伝えるようにしましょう。工事の進捗状況によっては、変更ができないこともあります。また、変更には、金額の増減が伴うことがほとんどです。 一度結んだ契約の内容をよく理解し、それが変更可能な範囲なのか確認してから、変更の依頼をすることが求められます。
お客様の希望ならばと、気軽に工事の変更を受けてくれることも多いですが、工事後に予想以上の追加請求書が届いて、トラブルになることもあるので注意しましょう。
家を建てる過程での代表的なトラブルとその対策
スムーズに進めば良いのですが、残念ながらトラブルが発生する可能性を頭に入れておく必要があります。適切な知識と対策があれば、トラブルを未然に防ぐことも可能です。ここでは、家を建てる過程でよくあるトラブルを避けるためのポイントを説明します。
施工ミスや不具合
あってはならないことですが、住宅が完成した後、床の歪みや雨漏りなどの重大な欠陥(瑕疵)が発生する場合もあります。そういった重大な欠陥(瑕疵)に関して、すべての事業者は「住宅の品質確保の促進等に関する法律」により、10年間の保証責任(瑕疵担保責任)を追っています。
ハウスメーカーの中には、独自で20年間の保証責任をつけているところもあります。
打合せ・契約内容との違い
打合せ時の要望は反映されていない。工事契約時の内容とは異なる仕様や設備が使われている。など、要望と実際の施工内容が異なるケースです。完成前の内見など、工事がほとんど終わっている段階で発覚する場合があります。この段階では対応することが難しく、泣く泣く諦めるということにもなりかねません。
このようなことが起こらないようにするために、まずは設計図・仕様書をよく確認しましょう。設計図など自分では理解しにくい部分もあると思いますが、理解できるまで遠慮せずに質問して、要望が反映されているか確認しましょう。
また、契約内容がちゃんと施工されているかは、工事中に現地で確認するしか方法がありません。
建築士でない限り現場を見て判断することは難しいですが、工事の担当者とコミュニケーションをとって、現場の状況を把握しておくようにしましょう。
工事の遅延
工事の遅延は、新居への引っ越し計画や仮住まいの家賃負担が増えるなど、金銭に関わるため、トラブルになりやすいです。 遅延が生じた時には、期間に応じた遅延金を支払うことになっていることが多いですが、工事契約時に、遅延した時の対応を確認しておきましょう。 工事の遅延は、天気の影響や材料の調達遅れ、人手不足なども考えられ、日ごろから担当者に進捗状況を確認しておき、早め早めに対応することがトラブルを避けることになります。
まとめ
家を建てる前の準備や、建てるパートナー選び、見落としがちな要素、工事進行時の注意点、トラブル対策など、注文住宅を失敗しないためのポイントを紹介しました。これらを踏まえ、ワクワクする理想の住まいを実現しましょう。